初期・後期研修医の皆様へ

日本大学医学部長

木下 浩作

救急医学系 救急集中治療医学分野 教授

 日本大学医学部は、今まさに変革期を迎え、医学部100年の歴史を刻もうとしています。板橋キャンパスの再開発計画も進行中であり、新病院建築後は多くの若手医師が誇りをもって勤務できるように準備をしているところです。

 最新の医学と良質な医療の実践するために、医師はプロフェッショナルとしての要件を備えなければなりません。それには、豊富な知識と専門的な技術力、および高い倫理観と道徳心が求められます。常に進歩している医学・医療を発展させるために、プロフェッショナルとして自ら生涯学習を実践して下さい。医学・医療の分野では、「これで十分」や「これ以上は不可能」などの考えは禁物です。そうした考えは、己を衰退させてしまいます。常に前向きに「高い目標」を持って挑戦を続けて下さい。

 新生医学部は、学生や若手医師の教育に重点をおき、初期・後期研修中にさらに多くのことが経験・実践できる環境を整えていきます。「つらいなぁ」と思う時こそ、大切な経験ができるチャンスです。そばには、必ず先輩・仲間がいてくれます。日本大学医学部の初期研修・後期研修プログラムにようこそ。

卒後教育担当

森岡一朗

小児科学系小児科学分野 教授

 日本大学医学部は、大正14年(1925)年3月に日本大学専門部医学科として開設され、「良き臨床医」「優れた医学研究者」「熱意ある医学教育者の育成」を本学部建学の理念としてきました。また、平成19年に日本大学の教育理念が「自主創造」とされるとともに、医学部の教育理念も「醫明博愛」とされています。醫明博愛とは、博愛すなわち「すべての人を平等に愛し、自己犠牲・献身を惜しまない」心を持って「醫明」につとめることを意味します。我々には、その精神に基づき、教育・研究・診療を実践して行くことが課せられています。一方、これらは医療・医学の発展のためには人づくりであるという哲学を示すものです。

 本学部の医学教育体制は、従来は「初期研修は病院」、「後期研修(大学院・専門医研修)は医学部」と分かれており非常にわかり難い状況でした。しかし、令和3年11月から初期臨床研修、後期臨床研修(大学院、新専門医制度)を含め一貫して卒後教育が担うことになり、卒前・卒後教育のシームレスな医学教育が可能となりました。なお、専門医研修と並行して大学院での研究・学位取得が可能なプログラムがあります。

 新専門医制度は、基本領域と称される内科、外科、小児科、産婦人科、泌尿器科、脳神経外科、整形外科、形成外科、耳鼻咽喉科、放射線科、皮膚科、精神科、救急科、麻酔科、眼科、病理科、臨床検査科、リハビリテーション科、総合診療科の19領域からなっています。そして、19の基本領域とその上にサブスペシャリティーがあります。本学では、19領域全域を網羅することが可能となっております。一方、地域偏在を是正するという名目で東京都では診療科によっては、新専門医制度における専攻医の受け入れにシーリング(人数の制限)がかけられています。また、令和6年度より施行される「医師の働き方改革」で、医師の働き方を見直す時代が来ております。本学部では、新医学部・新板橋病院の建設が決定されておりますので、これらの時代変化を見据えながら、若手医師の教育環境をより良いものに改革し、職員や指導教員の協力のもと、研修医の先生方、大学院生の皆様と一緒になって日本大学医学部の卒後教育をより充実したものにしていきたいと思います。

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