カリキュラム

令和4年度以降入学者
授業科目・授業方法・年間(学年別)で受ける授業内容

日本大学医学部医学科 履修系統図(令和4年度以降入学者用)

卒業コンピテンス及びコンピテンシー
DP コンピテンス コンピテンシー
DP1 教養・知識に基づく高い倫理観 生命に対する尊厳を持ち、責任ある医療を実践するための豊かな教養と医学の知識を修得し、倫理的原則に基づいた医療を実践できる。
DP2 保健・医療・福祉の社会性を理解して、世界の現状を理解し、説明する力 自己の専門領域の文化的・社会的位置付けを把握し、地域社会及び国際社会の保健・医療・福祉の現状を理解して、疾病予防と健康増進の向上に寄与することができる。
DP3 論理的・批判的思考力 新たな知識の創造をめざし、得られる情報を基に実証的・論理的な思考、及び批判的な思考ができる。
DP4 問題発見・解決力 患者に対して思いやりと敬意を示し、基礎・臨床・社会医学領域において、自らの立場を基に、事象を注意深く観察して、問題を発見し、解決策を提案することができる。
DP5 挑戦力 医療の基盤となる基礎・臨床・社会医学等の知識を基に、新しい医学知識や医療技術の創造に果敢に挑戦することができる。
DP6 コミュニケーション力 国内外の多様な文化、社会、環境の中で他者を理解し、その価値観を尊重し、医療の現場において適切なコミュニケーションを主体的に実践し、自らの考えを伝え、発信することができる。
DP7 リーダーシップ・協働力 患者とその近親者、及び医療チームを尊重し、医療の質の向上と患者の安全管理を確保するために、責任ある医療を実践する上でのリーダーシップ・協働力を身に付ける。
DP8 省察力 生涯にわたり、患者の安全を基盤に医療の質を担保し、謙虚に自己を見つめ、振り返りを通じて基礎・臨床・社会医学領域において自己を高めることができる。

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カリキュラム

受け身型教育ではなく自己啓発型教育を行い,6 年間を通じて,一般教育・基礎医学・臨床医学・社会医学の各分野を総合的に学修し, 人間性に溢れた倫理観のある人材育成に努めます。

step.11年次

多彩な選択必修科目, 自校教育, 医学の基礎
医師を目指す者として必要な教養を身につける。

 人工知能(AI) やロボットが進歩しても, 医師という職業がなくなることはありませんが, 仕事内容は変わるでしょう。科学的な知識, 思考, 技術については, AI ・ロボットの助けを借りることが増え, 医師にはAI・ロボットを使いこなす能力と, AI・ロボットに無い能力が求められるようになります。「数理生命科学基礎」ではAI についての基本的な知識や簡単な操作を学修し, さらに詳しく学びたい学生は「数理科学」を選択することができます。
AI にない能力とは人間に対する深い理解と優しさです。「医系人文科学入門」「医系社会科学入門」「医療法学」「生命倫理学」「行動科学」「情報科学」「生体理工学」「生体分子化学」など豊富な必修科目, 選択必修科目を開講しています。また, 「学際的研究」では, 総合大学である日本大学のメリットを活かし,文理学部の授業を受講できます。これらの授業を通して, AI 時代を生き残るための教養を身につけてください。
 「自主創造の基礎」「医学序論」では,医師になるための学修を進める上での土台を作ります。場面に応じたコミュニケーションを学修し, 介護・福祉・接遇等に関わる専門家の指導を受け,医学生として誠実な態度に基づく他者とのかかわりの重要性を認識します。また, 医療・福祉の現場に赴き, 医学生としての自覚をもった基本態度を身につけ, 自分のキャリアについて考えることにより, 6 年間の主体的学修目標と目指す将来像を明確にできます。
 入学者選抜で生物を選択しなかった学生のための授業として, 1 年次前期に「基礎生物学」があります。この授業により,基礎医学を学ぶのに必要な生物学の知識を身につけることができます。そして後期には, 基礎医学(「解剖学」「生理学」「生化学」) の授業が始まります。ここでは, 基礎医学の骨格となる知識や考え方を学び, 2 年次から本格的に基礎医学を学ぶ準備をします。

step.22年次

基礎医学系統講義 / 基礎医学統合試験
医学の基本である人体の構造 ・ 機能を学ぶ。

 基礎医学は, 生体が生命維持のために進化させてきた構造 ・機能を系統的に理解することにより 「正常人体の仕組みの理解」を行うことを目的としています。 これを理解していれば, 病気の名前を知らなくてもどこが悪いのかということを明らかにすることができます。 同時に, 正常の状態を理解することは, 病気を理解する上でも役立ちます。 このように 「正常人体の仕組みの理解」 と 「病態の理解」 という 2 点を学ぶことを主眼に置き,臨床医学を学ぶための土台作りをします。 2 年次には, 解剖学実習をはじめとする多くの基礎医学実習が行われます。 講義と実習・演習を組み合わせ, 頭と手を同時に使うことによって効果的に学修を進めることができます。 さらに, 3 年次から始まる臨床医学の準備として 「病理学」 「薬理学」 「微生物学」 など病気に関係の深い基礎医学を学修します。 2 年次に学ぶ内容は 4 年次の共用試験 CBT (後述) にも出題されるので,しっかりと身につける必要があります。

基礎医学統合試験

 2 年次の年度末に行われる基礎医学統合試験では, 1, 2 年次に学修した基礎医学の知識が総合的に問われます。 ここで知識の定着を図ることで, 3 年次からの臨床医学の学修が実りあるものになります。 また, その効果は 4 年次共用試験 CBT でも表れます。

step.33年次 4年次

臨床医学 ・ 社会医学
生涯にわたり自分で考え , 自分で解決する学修習慣を身につける。
臨床医学

 近年の医学の著しい進歩によって医学の知識の量は膨大となり, 従来の講義中心の受身型教育では対応が困難になってきています。 加えて卒業後も学び続けなければならない医師にとって, 詰め込みによる知識の記憶には限界があるので, 自分で考え, 自分で問題点を抽出し, 解決に向けて努力するという学修習慣を定着させることが重要視されるようになってきました。 そこで学修プロセスの新たな形態として導入されたのが PBL (Problem Based Learning) テュートリアルです。 PBL テュートリアルとは提示された症例に関して 6 ~ 8 名程度のグループディスカッションを行い, 学生自ら問題点・解決法を抽出していく授業です。
 各グループに 1 名のテューターと呼ばれる教員が配置されていますが, 学生に対して講義は行わず, グループ討議の調整役に徹します。 従来の講義形式の知識伝達型教育とは異なった学生主体の新しい医学教育法であり, 問題発見能力・問題解決能力, 自学自習の態度 ・ 習慣や人とのコミュニケーション能力など, 知識の獲得だけではなく, 医師として生涯にわたり学修を続けていくことのできる生涯学修者の姿勢を身につけることを目的としています。

社会医学

 2019 年から始まった新型コロナウイルスの流行は, 社会と医学が密接に結びついていることを改めて示しました。 社会,経済,生活, 自然の環境が病気の原因になるばかりでなく, 病気は人間を取り巻く環境を変えてしまいます。 また, 医療行為が倫理的に行われるべきなのは言うまでもありませんが,同時に制度や法律に基づいて実施されています。 社会医学では, こうした医療と社会の関わりについて学修します。

step.44年次

clinical skills training / 共用試験
臨床実習を見据え, 基本的な診療技能を身につける。

 4 年次後半の臨床実習は, 医療チームの一員として一定範囲の医療行為を行う診療参加型実習 (clinical clerkship) のスタイルで進められるので, それまでに最低限の基本知識と診療技術を修得しておく必要があります。 clinical skills training では,シミュレーターを使用したり, ロールプレーなどにより, 臨床医にとって基本となる医療面接や診療技術を十分に身につけます。 この授業では, 患者さんの全身をひとりで診察できるレベルまで到達することを目標とし, 後に続く共用試験 OSCE (下記) でその到達度を確認します。

共用試験

 臨床実習前の国家試験のことです。 臨床実習前の学生を対象に知識・技能・態度を評価する試験で, 全国の医学部が協力して実施しています。 この試験に合格すると student doctor として認定され, 臨床実習で患者さんに対して医行為をすることが許されます。 いわば医師の仮免許を取得するための試験ですから,合格しなければ 4 年次後期から始まる臨床実習に進むことはできません。

OSCE (objective structured clinical examination)

 OSCE は, 臨床能力を客観的に評価する手法として考えられたもので, その評価方法の有用性から将来的に医師国家試験への導入も検討されています。 教員の前で模擬患者さんを相手に医療面接と診察手技を行う試験です。 本学では, この試験を日本で最も早く, 平成 7 年から導入しています。 また, 総合大学ならではのスケールメリットを生かし, 課題の一つである 「医療面接」 に芸術学部の学生が模擬患者として参加しています。

CBT (computer based testing)

 診察技能 ・ 態度を評価する OSCE に対し, CBT は知識 ・ 問題解決能力を評価するコンピュータを用いた客観試験です。 出題範囲は, 基礎医学, 社会医学と基本的な臨床医学です。 学生は, ディスプレー上に出題される 320 問の問題に 1 日かけて取り組みます。

step.54年次

自由選択医学研究 1,2
最先端の研究に触れる。

 4 年次の共用試験の後, 約 1 か月間にわたり研究室に配属され研究に取り組みます。 自身の知的好奇心に基づく興味や創造力をかきたて, 学問の面白さを発見・再確認することができる学生本位のカリキュラムです。 最先端の研究に触れて, 科学的思考力を養ってください。 意欲があれば国内に限らず海外施設で学ぶこともできます。 医師として生涯にわたり自らの知識を広げ,常に研鑚する 「自主創造」 の礎となるものです。 さらに研究を続けたい学生のために, 4 年次後期に研究を継続できる科目 (「自由選択医学研究 2」) があります。

step.64年次 5年次 6年次

臨床実習 (clinical clerkship) [4 年次後半~ 6 年次]
選択臨床実習 / 臨床実習後客観的臨床能力試験 (Post-CC OSCE) [6 年次]

 医療チームの一員として診療業務を分担しながら, 教員の指導のもとで一定範囲の医療行為を行う診療参加型実習 ( clinical clerkship ) のスタイルで進められます。 学生は, Student Doctor と呼ばれ, 患者さんに接しながら基本的臨床技能, 現場での思考法, さらに態度を含めた医師としての能力を総合的に学んでいきますので, より実践的な実力を身につけることができます。 4 年次後半からの臨床実習は, 「初期 clinical clerkship」 として 12 週間の実習を行います。 複数の診療科にわかれ, 基本的な病態の評価, 診療計画の立案や医療面接,身体診察, 及び検査の基本的な事項を学びます。 5 年次からの臨床実習では, 1 グループ 3 名程度の少人数で, 1 年間をかけて付属病院 ・ 関連病院等も含めた診療科全科で実習を行います。 臨床推論に必要な医学知識を身につけ,質の高い疾病診断と診療計画の立案や医師の責務についての自覚などを, 医療チームの一員となって修得します。 6 年次の選択臨床実習 では,学内コースだけでなく, 関連病院をはじめ学外コースも設置し,地域医療の実習を経験することができます。

臨床実習後客観的臨床能力試験 (Post-CC OSCE)

 Post-CC OSCE では,臨床実習の成果が問われます。 頭の中で模擬患者さんの病気を考えながら, 患者さんの言葉を引き出したり, 身体所見を探したりする試験です。 単なる医学知識だけでなく, それを生かして診断するための総合的な学力が試されます。

step.75年次 6年次

学力統一試験

 医師国家試験合格は医学教育の集大成の一つであり,医師国家試験問題に準拠した内容で5,6年次が同一の試験問題を用いて年2回実施します。 5年次からの実施は, 単なる前倒し学修ではなく, 自らの欠点や苦手を把握し, 効果的 ・ 計画的に学修するよう目指しています。

MEDICAL ENGLISH EDUCATION
医学部医学科 - 医学英語教育

日本大学医学部の医学英語教育

日本大学医学部の英語教育は,「特定の目的のための英語」(English for Specific Purposes; ESP) と呼ばれる外国語教育の原則に基づいて行われています。ESP には, 「学術英語」(English for Academic Purposes;EAP) や「医学英語」(English for Medical Purposes: EMP) など様々な専門分野が含まれており, 日本大学医学部ではEAP とEMP の原則に基づいた教育理論, 教育方法, 教育実践の研究, 開発, 実施がなされています。つまり, 日本大学医学部の学生は, 医学生のために特別に設計された英語カリキュラムで学ぶことができます。カリキュラムでは, 知識を習得することよりも, 既存の知識を実際に使用することに重点が置かれており, 学生には英語を使う機会が十分にあります。外国語を使いこなすのに必要な4 つのスキル(スピーキング, リスニング, リーディング, ライティング)を実践的かつ意味のあるやり方で伸ばすことがカリキュラムの目的です。また, カリキュラムは, コミュニケーション能力の重要な要素である, 医師としてのプロフェッショナリズム, 共感, 文化に対する認識, 人間関係の構築なども育成できるように設計しています。

日本大学医学部の医学英語教育の特徴
  • 日本大学医学部では, 1 年次学生にTOEFL 受験を義務づけ, 入学時の英語力を評価します。学生はTOEFL の結果によって明らかになるニーズに応じてクラス分けされます。
  • 全て英語での交流会を毎週行っております。
  • 成績評価は, 主に学生の授業内でのパフォーマンス, 授業参加, 学修態度に基づいて行います。
  • 授業の人数は20人以下から130人までさまざまな構成があります。
カリキュラムの概要
1 年次
  • EAP/EMP のリーディング, リスニングとトピックディスカッションのスキルの構築(初級)
  • 「医師ー患者」コミュニケーションのスキルの構築(初級)
2 年次
  • EAP/EMP リーディングとリスニングのスキルの構築(中級)
  • 「医師ー患者」コミュニケーションスキルの構築(中級)
  • EAP/EMP プレゼンテーションのスキルの構築
  • EAP/EMP ライティングのスキルの構築
  • EAP/EMP ディスカッションのスキルの構築
3 年次
  • PBL コアタイムに関係しているEMP リーディングとリスニングのスキルの構築(中上級)
4 年次
  • PBL コアタイムに関係しているEMP に関係している総合的なスキルの構築
5,6 年次
  • 臨床実習: 論文読解, 症例報告等
  • 海外での自由選択実習で総合的にEMP のスキルの構築

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