耳鼻咽喉科で日常おこなわれる機能検査として、聴覚検査と平衡機能検査があります。これらの検査を担う日本大学医学部附属板橋病院の検査技師が、検査の概要を以下にご紹介します。
また板橋病院には睡眠時無呼吸症候群の診断に有用な「ポリソムノグラフィー」睡眠検査施設もありますので、合わせてご紹介します。
聴力検査室は、難聴やめまいなどを主訴とする患者さんを日常に検査を行っています。当検査室は、主にオージオメーターで標準純音聴力検査を行い難聴の分類、難聴の程度を検査しています。特殊検査としては、予約制で語音明瞭度検査、自記オージオメトリー、リクルートメント検査などの感音難聴検査やABR、耳鳴検査、遊戯聴力検査なども施行しています。また、歪成分耳音響放射(DPOAE)や人工内耳の適合検査なども行っています。
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耳管とは
中耳(鼓室)と咽頭をつなぐ左右1対ずつある管のことです。主に鼓室(中耳の空洞)内の空気圧を大気圧と等しくする役割や、鼓室内に出る分泌物を咽頭に排出する役割を持っています。
当科では、耳管に対する専門外来があり専門的な診療を行っております。
まず詳細な問診、鼓膜や咽頭所見の観察、体位による症状の変化の有無を評価します。その後必要に応じて耳管機能検査(音響法とインピーダンス法、T.T.A.G.法、インフレーション・デフレーション法(加圧減圧法))を行い、詳細に評価しその検査結果を踏まえ診療しております。
平衡機能検査室は、ふらつき、めまいを訴える患者さんを検査しています。検査には、患者さんの目の動きを記録するために電気眼振計(ENG)を使用し異常眼球運動が有るかを調べます。外的刺激装置として視性運動刺激装置、温度眼振刺激装置を使用して検査を行います。当科の平衡機能検査室には大型スクリーンによる電気眼振計やエアーカロリック検査装置および回転椅子装置も備わっています。
生後7日以内の新生児に35dBnHLのクリック音をイヤーカプラで聞かせて新生児の誘発脳波(聴性脳幹反応)が見られるかを検査します。
当院には周産期センター設備もあり、要精査の場合は小児科と耳鼻科で連携して治療観察をしていきます。
睡眠障害や日中の慢性的な眠気を訴える患者さんの睡眠時の状態を検査します。
検査は、当院睡眠センターとの協力で脳波、眼振図、筋電図、呼吸センサーなどを装着し、睡眠、呼吸状態を検査します。ポリソムノグラフィー検査は検査室での1泊入院検査になりますが、患者さんのご自宅で検査可能な簡易式貸出し検査装置も用意しています。